
統計検定2級に合格する勉強時間ってどのくらい?



統計検定2級に合格できる勉強法ってあるの?
といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「ぼくが統計検定2級に合格したときの勉強時間や学習方法」を解説します。
YouTubeでも解説しているので、「移動中や空き時間に聴きたい」という方は、ぜひご覧ください。




統計検定2級とは


統計検定2級とは、大学基礎科目レベルの統計に関する知識やスキル、活用力を評価する試験です。
データサイエンス系の仕事を目指している方は、統計検定2級を取得すると、現場で活用できるだけなく、転職時も評価されやすくなります。
統計検定2級の試験概要


統計検定2級の試験概要は、以下をご覧ください。
試験内容 | (1)現状についての問題の発見、その解決のためのデータの収集(2)仮説の構築と検証を行える統計力(3)新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力 |
受験方法 | CBT方式試験 |
出題形式 | 4~5肢選択問題 |
問題数 | 35問程度 |
試験時間 | 90分 |
合格水準 | 100点満点で60点以上 |
出題範囲 | 統計検定2級出題範囲表 |
(引用元:統計検定 統計検定2級)
統計検定2級の難易度


統計検定2級の難易度は、大学1〜2年次に学習する基礎科目レベルです。
基礎知識が定着していれば解ける問題が多いですが、2割ほどは難易度が高いため、どんな人でも事前学習は欠かせません。
勉強法については、後述の「統計検定2級を合格するための勉強法4ステップ」をご覧ください。
統計検定2級の勉強時間





ぼくが統計検定2級に合格するために使った時間は、50〜70時間ほどでした。
具体的には、試験の3週間前から以下の勉強時間で実施しました。
平日 : 1〜2時間 × 15日 = 15〜30時間
休日 : 6〜8時間 × 6日 = 36〜48時間
トータル : 51〜78時間



ただ、ぼくは大学時代に数学を専攻していたため、数学の基礎知識を復習しない状態でした。
数学知識がゼロの場合は、追加で以下の勉強時間が必要です。
高校で学ぶ、微分積分の知識 : 20〜25時間
高校で学ぶ、確率の知識 : 20〜25時間
数学知識が不足している方は、勉強時間が合計100時間ほどです。
毎日1時間ずつ勉強する場合は、約3ヵ月、2時間ずつの場合は1.5ヵ月となるので、最長でも3ヵ月あれば統計検定2級に合格できるでしょう。



「統計検定2級で微分積分を使った計算問題は、わりと出題されているな…」といった印象でした。僕が受験した2019年11月も出題されました。
統計検定2級を合格するための勉強法4ステップ


ここからは、ぼくが統計検定2級に合格したときの勉強法について解説します。
主に以下4ステップとなるので、ぜひ参考にしてください。
【ステップ1】統計WEBをひと通り読む
最初に取りかかるのは、統計WEBを使った学習です。
統計WEBは、統計検定2級を受ける方なら、ほぼ全員が使っているサイトです。
統計検定2級で必要になる統計学の知識が、わかりやすくまとまっているため、学習も進めやすくなっています。



個人的には、統計WEBを使えば参考書を準備する必要はないと思っているくらい、よくまとまっていますね。
無料かつ、オンラインで閲覧できるので、いつでもどこでも持ち歩けます。
統計検定2級に合格したい方は、統計WEBを使ってみて、自分に合わないと感じたら参考書を買いましょう。



統計WEBは、細かいことを気にせずに、一通り読み進めるのがおすすめです。この段階で完璧に理解する必要はありません。
【ステップ2】過去問を1回分解く
統計WEBをひと通り読み終えたら、過去問を1回分解いてみましょう。
ぼくは以下の過去問2017〜2019年版を使いましたが、現在は販売していないので、2018〜2021年版がおすすめです。
おそらく、過去問を解いてみると4〜5割くらいで、まだまだ合格点には届かないはずです。
統計検定2級の合格には、公式発表で7割必要だと言われていますが、6割と良いんじゃないかと言われているケースもあります。
もし現時点で、7割以上の問題が解けているなら、ステップ3の「統計WEBを読み直す」はスルーして問題ありません。
代わりに、ステップ4の「過去問をひたすら解く」へ進みましょう。



ちなみに、僕が統計WEBを読んでから過去問を解いたときは5割くらいでした。



試験日まで2週間しかないのに合格点に達しておらず、わりと焦っていましたね。
言い方を換えると、「2週間前まで合格点に達していなくても問題ない」ということです。
過去問を解くときは、しっかり「電卓」を使いましょう。
統計検定2級は「電卓の持ち込み可&電卓を使わないと解けない計算」があります。本番に合わせて試験に準拠した電卓で、計算に慣れておく必要があります。



ぼくは、以下のカシオ電卓を使いました。
どの電卓なら持ち込めるのか不安な方は、同じものを揃えておくのが無難です。
ただし、関数電卓の利用は不可なので注意しましょう。
【ステップ3】統計WEBを読み直す
過去問を解いて合格点に達していなかった方は、統計WEBを読みなおしましょう。
そのとき、自分が「わからない」とか「苦手だな」と感じている部分をまとめるのがポイントです。
たとえば、統計分野の区間推定・検定は、公式的に覚えようとすると紛らわしくなります。



統計WEBを読み直す際は、完璧に覚える必要はありません。なぜなら、完璧に覚えたとしても、問題を解けないと意味がないからです。
なので、ノートまとめに時間を使いすぎず、アウトプットに注力しましょう。
【ステップ4】過去問をひたすら解く
ここまで進めた方は、とにかく過去問を解きまくりましょう。
過去6年分の試験問題を、可能であれば2回転実施できると合格に近づきます。



ぼくの場合は、平日に1回分。休日に3回分の過去問を解いていました。
過去問を解いていると「自分はこの分野が明らかに弱いな〜」とわかり始めます。過去問を解くなかで発見した苦手分野は、ノートにまとめて復習しましょう。
統計検定2級は、過去に出題されたのと似た問題がたくさん出題されます。



ぼくが合格した2019年11月の試験でも、過去に出題されたのと似た問題が、チラホラ見受けられました。
「あのとき、ちゃんと復習しておけば良かった〜」とうい状況が一番もったいないと感じます。
統計検定2級に合格するためにも、しっかりと復習して、取りこぼしのないようにしましょう。
【裏情報】実際の試験を受けた感想と出題頻度の高い問題


2019年で出題された内容をもとに、出題されやすいジャンルをまとめました。
- 相関係数
- 条件付き確率 / 乗法定理 / ベイズの定理
- 抽出法 / フィッシャーの3原則
- 統計量tを使う系の区間推定・検定
- 母比率の区間推定・検定
- 母比率の差の検定
- 独立性の検定 or 適合度の検定(カイ二乗系です)
- 重回帰分析
上記は、過去6年分の問題を解いていて、出題頻度が高いと感じた分野です。
「統計量tを使う系の区間推定・検定」が少し雑ですが、不偏分散を使って統計量を算出する区間推定および、検定を指します。
基本的には、以下の考え方がで対応可能です。
- Z : 母比率、母比率の差
- カイ二乗 : 独立性、適合度
- F : 等分散性
- T : その他
母平均の区間推定・検定では、母分散が既知である場合には(不偏分散が不要なので)統計量Zを使います。
しかし、現実的に考えて、母平均がわからないのに母分散だけ既知なパターンというのはあまり存在しません。
上記の事実をおさえておくだけでも、区間推定および検定を理解しやすくなると思います。



ぼくが運営する、実践型中心のPython×データサイエンススクール「TechFrontier(テクフロ)」受講生も、この内容をもとに統計検定2級に合格しました。
統計検定2級の勉強時間でやらなかった学習【実体験】


ここまで、統計検定2級の勉強時間や学習方法について解説しましたが、「必要ない勉強はあるの?」と気になる方もいるでしょう。



実際に勉強しなくていい学習はあります。
以下は、体験談をもとにやらなかった学習なるので、「勉強時間を効率化したい」という方は、ぜひ参考にしてください。
赤本の学習
統計学の有名な本で、通称”赤本”こと「統計学入門」という書籍があります。
(引用元:東京大学出版会)



統計検定2級の学習で勧めている方もいるのですが、ぼくは勉強しませんでした。
なぜなら、統計検定2級の学習には、オーバースペックだからです。
もちろん学習するに越したことはありませんが、統計学入門は数学科の学部生に使われるくらい難易度が高くなります。
社会人で統計検定の受験を考えている場合、勉強時間が足らないでしょう。そのため、統計学入門を使った学習は、あまり推奨しません。
参考書の購入



ぼくは参考書を統計WEBにしていたので、書籍を購入しませんでした。
過去問を解いてみるとわかりますが、統計WEBに書かれている内容だけで、十分に試験合格レベルまで学習できます。
参考書を購入する場合は、統計WEBが自分に合わないと感じてからでも問題ありません。
また、統計検定では、公式で出版しているテキストがありますが、不要です。
- 中身を見てみたら、わかりづらかった
- 主観ではなく、Amazonのレビューも悪評だった
公式テキストがわかりづらい原因は、文字を多用して詰める形式で解説しているからだと思います。
統計学は、イメージできないと理解するのが困難になるので、文字ばかりの形式は使いづらいでしょう。
二元配置分散分析の学習
二元配置の分散分析については、学習しませんでした。
理由は、過去6年分の過去問をやっていても、出題がなかったからです。
他の知識は満遍なく出題されていますが、二限配置に関しては皆無だったので、思い切って勉強時間から外しました。



ちなみに、2019年11月試験でも、二限配置の分散分析は出題されなかったです。
とはいえ、余裕があれば勉強することをおすすめします。
統計検定2級の勉強時間は3ヵ月で十分!


本記事では、統計検定2級を受験して、合格した実績をもとに勉強時間や学習法を解説しました。
統計検定2級は、データサイエンス系の仕事に転職する際、評価されやすい資格のひとつです。
データサイエンティストやデータアナリストを目指すのであれば、取得したいところですが、特に大事なのは資格ではありません。



データサイエンス系の転職で必要なのは、「実践で活用できるスキル」です。
現場で使えるスキルを身につけられれば、資格よりも評価される材料となります。
しかし、「どうやってスキルを身につければいいのかわからない」と悩む方も多いでしょう。
当サイトを運営するTechFrontier(テクフロ)では、実践を中心としてPython・データサイエンスについて体系的に学習できます。



他スクールの場合、8割ほどが学習時間になりますが、TechFrontier(テクフロ)は実践が8割のスクールです。
実際の受講生は、実践を中心に学習しているため、短期間で結果を出しています。未経験から1年以内に、データサイエンティスト・データサイエンスに転職できた受講生もいます。
統計検定2級の資格取得も重要ですが、スキル習得が転職に直結する近道です。
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